Apple Storeの手数料を半分の15%に

Appleは11月18日、App Storeからの年間収益が100万ドル（約1億円）以下の事業者に対して、手数料率を通常の30％から半分の15％に引き下げるプログラム「Small Business Program」を発表しました。適用は2021年1月1日からとのことです。

嬉しいのはこの措置が一時的な物ではなく恒久的なプログラムであるという点でしょう。

新しいプログラムは年間収益が100万ドル以内の小規模事業者に対するApp Storeの手数料率を15パーセントに削減します
https://www.apple.com/jp/newsroom/2020/11/apple-announces-app-store-small-business-program/

1 対象は新規デベロッパ及び年間収益100万ドル（約1億円）以下
2 Fortniteの影響か？
3 個人開発者には追い風か
4 まとめ

対象は新規デベロッパ及び年間収益100万ドル（約1億円）以下

同プログラムの対象はApp Storeで配布されている全てのアプリで、2020年の収益が合計100万ドル以内の既存デベロッパと、これからアプリを配布する新規デベロッパに対して、手数料が15%に引き下げられます。

デベロッパの収益が100万ドルを超えた場合、その年の残りの期間について標準の手数料率が適用されます。

デベロッパの収益が100万ドル未満に落ち込んだ場合、翌年の手数料率が再び15％に下がります。

デジタルグッズ＆サービスを販売するアプリで、手数料を控除した後の売上金額が100万ドルを超える収益に達している場合、App Storeの標準手数料率（30％）が維持されます。

Appleは、Analysis Groupによる調査の結果を引用し、Appleの手数料体系は各社のアプリ配布、ゲーミングプラットフォームで主流であると説明しています。

Fortniteの影響か？

2020年夏からゲームアプリ「Fortnite」を運営するEpic GamesとAppleと対立していますが、今回この対立がきっかけとなり手数料を引き下げた可能性があります。それでもEpic側はそれでもまだ不十分だと発言しています。

僕自身もこのルールはシンプルではあるものの100万ドルの閾値を少し超えた程度だと収益率が悪化するので逆に100万ドル以上の収益にならないように意図的に対策をするデベロッパも出てくるではないかと考えていますのでこの対応だけでは不十分だと思います。

100万ドルまでは15%。200万ドルまでは20%にするなどにする方が収益抑止の意識が下がるので、App Storeのためになるのではないかと思います。

個人開発者には追い風か

とはいえ、年間収益が100万ドルというのは個人レベルでは到達が難しい収益ではあるので個人開発者が気にする必要はないでしょう。素直に手数料が半額になることで収益率が改善するデベロッパがほとんどだと思うので追い風であることは確かでしょう。

今後、iOS 14で対応予定のIDFAもあり、広告収入が減る可能性もあるので、App内課金や買切り、サブスクリプション（月額課金）といった実際に料金を払ってもらって対価を得るアプリをメインにリリースしていく必要があると考えています。

かく言う、僕が現在開発中の来年夏リリース予定タイトルもApp内課金をメインに据えたビジネスモデルにする予定ですので、この手数料半額にするというニュースは収益率が改善するので素直に喜ばしいです。

まとめ

今回のApp Storeの手数料半額化を受けて、是非ともGoogle Playも追従して欲しいですね。

まあ、そもそもアプリストアのアプリは勝ち組と負け組が明確に分かれてしまっているのでダウンロードすらされないアプリがほとんどで、収益化できていないデベロッパの方が多いかと思います。

手数料が半分になるのは喜ばしいですが、しっかりと収益をあげられるようなアプリを開発し、ダウンロードされるようなプロモーション活動をしっかりとやっていくと言う点では今までと変わらないでしょう。

そして、僕が最終的に目指すスモールビジネスに最適な内容となっているのでこの時流に是非とも乗っかって行きたいですね。

ちなみに、ニューヨークタイムズによると、Appleに手数料を払う98%のデベロッパーがこのプログラムの恩恵を受けると試算されているとのことですが、この98%のデベロッパーが生み出すApp Storeへの利益は、全体のわずか5%に満たないという。これは逆に言えば、2％のデベロッパーがストア全体の95％以上の利益を生んでいる計算となるため、App Storeの収益にほとんど影響を及ぼさないようです。恐ろしいですね。